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第169話 今度は私が決めます

مؤلف: 八月 猫
last update تاريخ النشر: 2026-10-24 09:00:13

 オムライスとハンバーグを食べ終えて店を出る頃には、昼時の行列もずいぶん短くなっていた。

 帝人さんは結局、約束通り私のハンバーグを一口だけ食べ、自分のオムライスも私に一口分けてくれた。どちらが上かを決めようとしなかったので、今日はちゃんと休日として食事ができたらしい。

「帝人さん、このあとどうします?」

「決めていない」

「本当に今日は徹底してますね」

「何も決めずに来たんだから当然だろう。ただ、小春が行きたいところがあるなら付き合う」

 そう言われて、私は少し考えた。

 せっかく何も決めていないのなら、普段の帝人さんなら自分から選ばなさそうな場所へ連れていくのも面白いかもしれない。

「じゃあ、今度は私が決めてもいいですか?」

「ああ」

「文句なしですよ?」

「行き先も聞いていないのに、なぜ先に文句を封じる」

「帝人さん、着いてから『ここで何をするんだ』とか聞きそうなので」

「必要なら聞く」

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     オムライスとハンバーグを食べ終えて店を出る頃には、昼時の行列もずいぶん短くなっていた。 帝人さんは結局、約束通り私のハンバーグを一口だけ食べ、自分のオムライスも私に一口分けてくれた。どちらが上かを決めようとしなかったので、今日はちゃんと休日として食事ができたらしい。「帝人さん、このあとどうします?」「決めていない」「本当に今日は徹底してますね」「何も決めずに来たんだから当然だろう。ただ、小春が行きたいところがあるなら付き合う」 そう言われて、私は少し考えた。 せっかく何も決めていないのなら、普段の帝人さんなら自分から選ばなさそうな場所へ連れていくのも面白いかもしれない。「じゃあ、今度は私が決めてもいいですか?」「ああ」「文句なしですよ?」「行き先も聞いていないのに、なぜ先に文句を封じる」「帝人さん、着いてから『ここで何をするんだ』とか聞きそうなので」「必要なら聞く」「それです」 私は笑いながら、商店街の脇道へ入った。 十分ほど歩いた先にあるのは、大きくも新しくもない文具店だった。学生向けのノートや筆記具だけでなく、少し変わった便箋やシール、小さな雑貨まで置いている。以前この近くへ来た時に偶然見つけて、それから何度か一人で寄っていた店だ。「ここです」 帝人さんが看板を見る。「文具店?」「はい」「何か買うものがあるのか?」「ありません」 予想通りの顔をされた。「買うものがないのに入るのか」「見て、何か欲しいものがあったら買うんですよ」「順序が逆じゃないか?」「休日なのでいいんです」 帝人さんはまだ完全には納得していないようだったけれど、何も言わずについてきた。 店内には色違いのペンやノートが所狭しと並んでいる。私は新しく入った便箋を眺めたり、猫の形をしたクリップを手に取ったりしながら、ゆっくり棚を見て回った

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